後悔

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今もなお、鳴はずっと原君に電話をかけている様子だった。 しかし原君は一向に電話に出ない。 どんどんと焦る気持ちだけが降り積もっていく。 「鳴、出ないの? 」 「出ないわ」 街行く人は全速力で走る僕と鳴を珍しそうに見ているが、そんな事は気にしていられない。時間がないのだ。 既に夕陽は半分ほど顔を隠している。そろそろ昨日の僕が言っていた夕方と夜の間になりそうだ。 長い距離を走りやっとの事で原君の家が小さく見えてきた。後、信号を一つ渡れば原君の家だ。 前には信号待ちをしている白い車が一台停まっていた。真っ白な車体が夕陽に照らされている。タクシーをこの道で見る事は多いが、普通の自家用車を見る事は少ない。 信号の近くまで来るとちょうど青に変わり僕と鳴をすんなりと通してくれる。背後でさっきの車のエンジン音が聞こえた。 「ついた…… 」 鳴は既にほとんど体力が残っていない様に見えた。 立ち止まり手を膝について肩で息をしている。
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