二限目 にゃんこ教授と幽霊

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 翌週の火曜四限目。   探偵学とかいうゼミは、オリエンテーションを終えようやく講義の開始となった。  十人ほどいたゼミ生。  見切りをつけたのか、私を除いて五人という有り様だった。 「本日はフィクションに登場する毒物と、実際の毒物の効能を比較し――」 「はい、にゃんこ教授。  質問、質問いいですか」  火野が元気良く、右手をぴんと伸ばし挙手。 「にゃんこ教授?  というか君は誰だね」   必死に笑いを堪えるゼミ生一同。  彼らを気にも留めず、教授はけげんそうな顔をする。  しょうがなく、私は挙手し苦し紛れの弁解を始めた。 「私へのサプライズパーティー事件ありましたよね。  あの真相を、事前に言い当てていた人がいると説明したら。  どうしても一度会いたい言って、聞かなかったので」  ふむ、と値踏みするようにじろじろと、教授が火野を見つめる。 「我輩のゼミを志望するとは、お目が高い。  志望理由を教えて貰おうか」 「かっこいいからです!  探偵マンガとか結構集めてます!」  ついにこらえきれなくなった、ゼミ生一同の笑いが爆発。 「その意気やよし。  聴講生としてなら、出席を認めてやらんでも無い」 「えっ。いいんですか!」  思わず私のほうが大声を上げてしまう。 「ただし条件が一つ」  教授が真顔に戻る。 「学内に蔓延る噂の真相を何か一つ、二人で調べて来たまえ。  成果次第では、聴講を許そう」
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