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「君達フラメンコサークルが、人目を忍んで練習していた。違うかね」
「おっしゃる通りです。
でもどうしてバレたんですか?」
しょんぼり俯く赤羽さんに、教授が得意気に演説をぶつ。
「幽霊の特徴は三つあった。
赤いワンピースを着ている点。
激しく体を震わせていた点。
一階まで響くほどの騒音を出した点。
最初の倉庫の話を聞いた時、全てが繋がった」
「がらくた置き場にしか、見えませんでしたよ」
私の指摘に、火野もうんうんと頷く。
「つま先と踵に、釘を打ったシューズを見ただろう。
いったい何のためか。
合板の話で、ピンときたのさ。
釘の頭を床に打ちつけ音を出す為の、ダンスシューズだとな。
タップ練習の道具なのだよ。
直接床の上で練習しては、傷がつく。
だから保護のために合板を用意してあった。
後は窓のスペイン国旗を組み合わせ、フラメンコだと気付くことができる。
赤い女は激しく動いていた。
回転の練習をしていたからだ」
「事故多発のブロンズ像は、どう関係するのですか?」
「ブロンズ像は、アメフト部五人でやっと運び上げた。
わんこ君達が上がって来るまでに、動かすのは不可能だ」
「赤い女性の絵画は?」
「壁に固定されていたなら、動かすことはできない」
「でもどうして、こそこそと練習したりなんか」
火野のもっともな質問に、ゼミ生から同調の声が上がる。
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