8人が本棚に入れています
本棚に追加
甘いの半分こ
◇
あの子とは、ずっと一緒にいたの。
だからずっと一緒にいられると思ってた。
おやつだって、いつも半分こにしてた。
◇
松野実利と中川菫は五歳の頃から大の仲良し。
お互いが初めて出会ったのは保育所に通っていた時。
毎日鬼ごっこや、かくれんぼをして遊んでいるうちに気が合って、何かと行動を共にするようになった。
二人は小学校に入学すると同じ部活に入ったり、同じ文具を揃えたり、同じお菓子を分け合ったりする仲の良さに。
実利は菫とずっと一緒にいたから、ずっと一緒にいられると思っていた。
しかし月日は流れ、二人が中学生に上がってしばらくした時のこと。変化が訪れる。
お昼休みに教室の片隅の席で、菫は実利に告げた。
「あのね、実利ちゃん。あのね……」
菫は顔を赤らめている。
「わたし、彼氏が出来たの」
それを聞いた実利は、一瞬呼吸が止まった。驚いたのである。
「え、そうなの? おめでた……じゃない、それは良かったね、菫!」
「うん!」
菫はいい笑顔だ。陽だまりに咲く花のよう。
「でも、彼氏になったのって誰?」
「実利ちゃんも知ってる人よ。話したでしょ、わたしの好きな人」

最初のコメントを投稿しよう!