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「ぬゥぅううううぁァアアア!!!」
バンターが仰向けに倒されたまま放つ膝蹴り。
圭はそれが届く前にバンターの顔を支点に体を曲げず前転――バンターの頭を完全に凍結した。
「ッッ――、 、 、」
「ふふ 苦し ――」
遠当てがわずかに首を逸らした圭の真横を抜け、牢獄の鉄格子を幾重も貫き吹き飛ばす。
圭は遠当てをかいくぐり、
「凍 の舞 踏 」
「ッッ!!? ぐ――」
氷山屹立。
バンターの足元から地を突き破って現れた氷の剣山が彼を貫き、裂き、裂き、裂き――――
「ぐあ、ぁ、ァ――ぁああああぁあぁぁぁああッッ!!!!!」
『ッ!!?』
立ち昇った剣山が触手のように湾曲して停止、吹き飛ばされてきたバンターがマリスタらの目の前に転がる。
「ガ、ぁグッ……ッ……!!!」
「――――、」
――皆は見上げる。
氷の触手の上に立ち、今雷鳴を背にそのシルエットと照らされた狂喜を不気味に浮かび上がらせる天瀬圭を。
「……何その目……ケイ、」
「お死まい」
バンターの前に――――その向こうにいる皆の前に、無数の宝氷剣が装填され、
「ッッ!! みんな逃げ――」
掃射。
された宝剣は、
「あはははははッ!?!? ぁ――ぎゃカ!?!?!?」
『ッ!!?』
――――――残らず、進行方向を直角に変え。
一本残らず、皆の眼前に柵のように突き刺さった。
(――――……止めて、くれた?)
マリスタの見る先で――圭は亀裂の左目を押さえて片膝を着いていた。
「はァ゛――――――はァ゛ ぁア! ぁハ
…そう なのぉ… ? 好きなのね、」
バンターの蹴りが圭の腹部に炸裂。
『!!!』
「アマセ君ッ」
「う゛ぅ゛――」
「剛蓮」
練気が圭を爆散させんと流れ込み、
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