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「……じゃあ最後に一つだけ。ちゃんと付き合う友達は選びなさい。友達多いんだし、二年間一緒のクラスだったんだから、分かるでしょう」
「友人は選んでますよ。失礼しました」
引き戸を閉め、担任の姿が見えなくなる。
間もなく声をかけられた。
「オイおせーよ、あんま待たせんなよ」
「先に行っててくれって言っただろ」
「お前をイクミちゃんと二人っきりにしておけっかよ」
「どういう意味だ?」
「ちっ、イケメンめ」
「ジゴロ野郎がよ……さあ、はやく行こうぜ」
「あー、彼女欲しー」
廊下で待っていた、いかにもな風貌の不良たちに続く。
周りから見れば、俺も立派な同類なんだろう。 周りから見れば、俺も立派な同類なんだろう。
◆ ◆
「天瀬圭。よく分かんないやつですよね」
「何を考えてるんでしょう、あの子。二年担任してますけど、いまだに掴み切れなくて」
「成績優秀、眉目秀麗。クールに見えて、いざ話してみると人当たりは良くて、文化系から不良グループまでと、男女問わず交友関係は広い。その一方で一線引いて、過度に人と仲良くしようとはしない……そのミステリアスさが、図らずも女生徒達の注目をより集めている。ハハ、こんなに出来すぎたスペックを持ってる奴も珍しい」
「二日前も、女生徒に告白されていましたよ。にべもなく断っていたようですが」
「二日前も、ですか? なんとまぁ……私は十日くらい前にも見ましたがね」
「でも、最近は成績がガタ落ちなんですって?」
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