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うるさいほどのセミの声に、どこまでも続く深い緑。夏休みに行ったおばあちゃんの田舎は、去年とまったく変わらないように見えた。
僕は車から飛び降りると、おばあちゃんちの玄関にむかってダッシュした。
「おばあちゃん!」
僕が勢いよくドアを開けると、おばあちゃんはニコニコ出迎えてくれた。
外が明るくて暑かったから、かけこんだ家の中はひんやりして暗い気持ちいい。
「いらっしゃい! もう健也(ケンヤ)君も来てるよ」
「ホント!」
ケンヤというのは、僕のイトコだ。遠い所に住んでいるので、夏休みくらいにしか会えないけれど、ラインやツイッターでちょくちょく連絡をするくらい仲がいい。
居間をのぞくと、そのケンヤが麦茶を飲んでいた。
「あ、ショウ!」
僕に気づいたケンヤが、僕の名前を呼んで立ち上がる。
「ケンヤ、ちょっと背伸びたんじゃねえか? てか、日焼けすげえな!」
スマホでやり取りしていてお互い元気なのは知っているけれど、やっぱり実際に会うと嬉しい。
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