41人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
2週間に一度程度、仕事に区切りの付いた週末にはみんなで食事(まあ、呑み会だな)に行った。
会社の補助もあり、結構、みんなも楽しみにしてついてきてくれた。
呑み会は正解だったと思う。
そこで、議論が始まり、課題の解決策が見つけられる事もあった。
本当はアルコールに弱い僕は、だいたい1次会でヘロヘロになり、皆の「お疲れ様でした~」という声に送られて先に帰った。
新宿で呑むことが多かったので、荻窪に住んでいる僕は定期が使える地下鉄丸ノ内線で帰った。
ある日、吐き気を押さえながら、途中コンビニでアイスクリームとコーヒーを買って、灯りのついている部屋に入り、ドールの小夜子に「ただいま」と声をかけた。
「おかえりなさい」
「・・・・えっ?」今、喋ったのかな?
そう言えば、パンフレットに声がでるラブドールを開発中と書いていたけど、これがそのバージョンなのだろうか?
などと、ぼんやり、そんなことを考えながら、上着を脱ぎハンガーに掛けていると、さらに声がした
「何、買ってきたの?」
間違い無い、喋ってる。驚いて振り返ると、小夜子(のドール)が立っていた。
驚きはしたが、なんとなくその状況を受け入れてしまった。
なにより、酔いで深く考えられず、頭がぼんやりしていた。
これは夢か? いや、夢に違いない。
最初のコメントを投稿しよう!