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でも、夢でもいいや。どうせ、今までも小夜子を夢見て、それが高じてラブドールまで買ったんだから。
「アイスクリームとコーヒー」続けて「ありがとう」と僕
「え?」
「じゃべってくれて。夢の中でも嬉しいよ」
いままで、実物ではないにしろ、ドールで小夜子を身近に感じられていたが、さすがに当たり前だが、動かないし、しゃべら無いので、そこで現実に引き戻されていた。それが、夢でもしゃべられたのだから。
「私も、お兄ちゃんとしゃべれて嬉しいわ」
お兄ちゃんと言ってくれた。
日頃は、小林主任と言われているので、久しぶりに聞いた。
まあ、それだけでも願望が混ざった夢だと言う事は自明だった。
「アイスクリーム食べる?」と僕。
「一緒に食べよう」と小夜子。
覚えているのはそこまでだ・・・。
酒に弱い僕はその後、眠り込んだ様だった。
お酒の好きな方は良く判るだろう、なんとなく断片的に覚えているのだが記憶が無い、という状況を。
まさにそれだった。
次の日、起きると、アイスクリームは食べた後があり、コーヒーは冷蔵庫に入っていた。
僕はパジャマに着替えて寝ていて、小夜子はいつものようにソファーに座っていた。
昨日、小夜子が動いたというのが夢だと言う事は確信していた。僕は手の組み方、足の組み方にまで拘って、小夜子をソファー座らせていた。
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