ラブドール

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中学校は地区が一緒なので僕と同じ中学校に進学したが、高校は優秀な小夜子は地域一番校に行けるはずなのに、それに、同時に在学する訳でも無いのに、わざわざ僕が通った高校に進学した。 大学も僕が通っていた東京の私学に来たくて、実際に受験して受かっていたのだが、たまたま言われて受けた京都の国立大学に受かり(本人曰く、受かってしまった)親に強く言われ、そちらに進学しなくてはならなくなり、ガッカリしたらしい。 まあ、僕に言わせれば、両方の大学を比べれば、100人中100人(つまり全員)が京都の大学を選ぶだろうから、親の言う事はしごく真っ当な事だ。 そして、僕が勤めている会社は全国で募集しているので、本来なら近い大阪採用で応募すればいいのに、わざわざ東京採用に応募してきた。 小夜子の就職活動時期に、たまたま帰省していた僕を訪ねて、東京は良く知らない、何かあれば相談したいと言って、僕の携帯番号を聞き、名刺を持って行った。 その名刺を頼りに僕のいる会社を受け配属先を希望したのだった。 僕のいる部署に配属された後、小夜子なりに人脈を広げ、僕が誰かと付き合っていないのか、色々調べたようだ。 結論は、会社での雰囲気では付き合っている人はいなさそうだが、あまりにも、会社の女性の中で存在感がなさ過ぎて、良く判らなかったそうだ。     
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