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◇プロローグ ~あぁ、初恋は、|儚《はかな》くも~
一日千秋という言葉がある。たった1日を千回の秋が巡るほどに待ち焦がれる様子を表しているらしいその言葉を私は今、身を持って感じていた。
井上奏馬先輩。
神屋東中学校、男子ランキング3位。
男子陸上部に所属し、温厚でのんびりとした性格からか男子・女子問わず周囲からの信頼は厚い。特に目立つような行動はせず、裏方に回っている。引っ込み思案ではあるがそのお人好しさゆえに彼女を志願する女子は少なくない。
それが私の想い人、ソウマ先輩だ。
ここまで言えば分かると思うが、並の女子が手を出して良いお方ではない。
特に私のような根暗、コミュ症、友達0と嘲笑われるが近づけるような存在では絶対に……無い。――ハズだった。
「そ、その……す、好きれしたぁッ! 付きゃってくださいッ!!」
この盛大にコケたセリフを私が吐いたのは昨日。
人目につかない校舎裏に先輩を呼び出した時のことだ。
もちろん期待はしていなかった。
どうせ何もしないで諦めるくらいなら告白して玉砕しよう。
先輩のことだ、告白したことで私の悪口をいう人では無いだろうし、
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