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他の女子が何をウワサしようと私のイメージはこれ以上悪くなりようが無い。
そう考えての決行だった。
とにかくその時は、告白して玉砕してテキトーにごまかして帰るつもりだったのだ。
だが、その玉砕覚悟の告白に対して返ってきた言葉は私の予想の遥か上だった。
『明日まで考えさせてくれないかな。僕も……君となら上手くいく気がするんだ』
「クワァ――ッ!!」
若干頬を染めながらそう言った先輩。
その顔を思い出して、私はもたれ掛かっていたボイラー施設の扉をガンガンガンガンガンと叩きながら、奇声を発する。
そう。先輩は言ってくれたのだ。君となら上手くいきそう。と
それはつまり、そう、つまり、そういうことですよ、えぇ!!
「はぁっ……。はぁ……ッ」
人目につかない校舎裏で息を荒げる私。緊張しているからとはいえ絵面は完全に変態だった。というかもうヘンタイでもいい。今日この場所で先輩が私の望む答えさえ言ってくれれば、私は栄えての彼氏持ちぃッ! 今さら何を恐れるものがあろうか!
「さーて。先輩まだかな~?」
猫なで声100%。普段絶対に出さないトーンの声で先輩を待っていると、超至近距離から柔らかいハスキーボイスが響いた。
「ごめん。待った?」
「ひゃ、ヒャぃっ!」
ぞぞぞぞーっと首筋に寒気が走る。
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