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嘘っ!? プレゼント? 告白後にプレゼントとかそんな……嬉しい。
突然のサプライズに驚きながら差し出された先輩の左手に目を落とす私。
そこにあったのは結婚指輪サイズの――
――防犯ブザーだった。
「……は?」
ナニコレ……。え? ドユコトこれ。
息子用? 将来生まれてくる息子に持たせる防犯ブザー!? え、気が早すぎない!?
防犯ブザーと先輩を1秒間に3回のペースで見比べながらそう目で訴える私。
しかし先輩の口から出たのは想像以上の言葉だった。
「僕が、その、“いけないこと”しそうになったら危ないし……持ってた方がいいと思って」
「いけない!? そ……それって、どういう……」
突っ込みと質問が口の中で追突事故を起こしたのかそれしか言葉が出ない私。
しかしそんな私など眼中に無いのか、さらに先輩は続ける。
「だって、もしかすると僕――」
「君を襲っちゃうかもしれないから」
表情が見えないよう俯きがちに、信じられないセリフを真顔で吐いた、先輩。
その後、長い沈黙の後に「あの……今日からすぐっていうのも気まずいから。明日から学校近くのゲームセンターで待っててくれるかな。……うん、じゃあ。また明日」と言い残して先輩はその場を去って行った。
「…………」
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