夜中と写真と誕生日プレゼント

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 …会ってみたい。話してみたいという思いが駆け巡る。しかしまずは、写真のコメント欄にコメントをすることに決めた。しかしなかなかコメントが決まらない。こういう時、何と言っていいものか。別に普通の人だったら、「○○さんのこの写真、何処で撮ったんですか? 色合い綺麗ですねー。」とか「可愛い! これ××ってやつですよね? 知ってます。」で済むが、いざザキさんにコメントしようと思ったら、どうしたら良いかわからない。無難且つ特別なコメント。探せば探すほど、自分の語彙力の無さを痛感することになる。適当なコメントなんて出来る訳がなくて。  頭を悩ませること一時間。その間、他の人の写真を見ながら考えていた。もう日付は回っている。時間なんて、あっという間だ。そして見つけた答えは、 「この写真の人の表情、凄く良いですね(・∀・)」 という実にシンプルなものだった。改めて、自分の語彙力の無さ、プラスして自分の妥協してしまう問題を悔やむのだった。  返信のコメントは期待していなかったが、寝ようと思った矢先に来てしまった。スマホのライトがピカピカ光る。青色が自分の真っ暗な部屋の中で光る。クリックして開くとこう書かれていた。 「ありがとうございます(・v・)そう言ってもらえると、嬉しいです。」 顔文字が付いていてビックリ。コメントが返ってくるとは思っていなかったので、思わず微笑んでしまった。きっとこれを家族に見られていたら、「何あんた微笑んでいるのさー」と言われていただろう。自分の他に誰もいなくて良かったと、夏希は胸を撫で下ろす。     
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