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1話 優しいおかあさん
私がまだ、小さい時の事である。
夜、リビングの照明の光が寝室に射し、ふと目が覚めた。
目が覚めて、寝る前まで隣に居たはずのおかあさんの姿がない事に気づき、まだ起きていない身体を起こす。
寝起きの身体はまだ少し重たく、このまま布団に戻れば、すぐに寝付けれるだろうという程、完全には起ききれてはいなかった。
「……おかあさん?」
明かりが着いているリビングを寝室から少し顔を出し、覗くとそこにはおかあさんがいた。
するとおかあさんは、私の声に気づき、此方をむいた。
そして、優しい目で此方を見て微笑んだ。
私はおかあさんに近づき、抱き着いた。
おかあさんは抱き着いた私の頭を優しく撫で、
「結芽、おかあさんはお仕事に行っちゃうけど寝れる?」と言った。
私は小さく「うん」と言って頷いた。
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