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6話 進路調査票
結局、進路調査票には何も記入できず、家に持ち帰った。
その日の夜。
ご飯を食べ終わり、リビングでテレビを観ている時、おかあさんが、不意に聞いてきた。
「結芽、進路調査票って、来た?」
「まだ。来てない」
私は、嘘をついた。進路調査票は、まだ来ていないと言う嘘を。本当は来ている。でも、私は言えなかった。
それから数日経った、ある日、担任に呼び出された。
担任が呼び出した理由は、進路調査票に、ついてだった。
「小笠原、進路調査票を出していないけど何かあったか?」
「いえ、まだ書けていないだけです。」
「そうか、高校の進路は、大切な事だから、しっかり親御さんと話して提出してくれよ。」
「はい。失礼しました。」
担任から言われたということはきっとおかあさんが、担任に連絡でもしたのだろう。
今日の夜、私はおかあさんになりたいものを打ち明けよう。それでダメなら、また、考えよう。
そう私は決心をした。
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