8話 夢に向かって

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8話 夢に向かって

「先生、進路調査票です。」 「小笠原、ようやく出したか……って、大学行かないのか?」 「はい、書いてある通りに歌い手になろうかと。」 担任は少し驚いたが、そうかそうか!と、言って私を見た。 でも、私は少し後悔をした。 どうしてもっと早く言わなかったのか、と。 もっと早く言っていれば、みんな驚かずに、笑顔で、いいよと言ったのかもしれない。なんて思ったことだってある。でも、後悔したって意味が無いと、おかあさんが言ってくれたのを、思い出したら、自然と間違った気分にはならなかった。 それから、私は歌い手になる為にバイトをし、機材を集め、頑張って、歌ってみた動画を出した。 最初は、あまり閲覧数の少なかった動画。 それでも、辞めようなんて思わず、もっと頑張ろうと思えた。 歌い手になってから数ヶ月が経とうとした時、私の歌ってみた動画を、見た人が拡散をし、私は有名になった。有名歌い手の1人となった。
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