高木宗太の場合

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口元のホクロが、妙にセクシーな女性店員が現れた。 向かい椅子に座り、担当の篠崎ですと言うと、丁寧に頭を下げた。 女性店員は、慣れた感じで、すぐに商品の説明を始めた。 「色眼鏡のご購入、ありがとうございます。ご購入の色眼鏡はタクヤタイプでお間違いないでしょうか?」 「はい。」 宗太は、その女性店員のホクロばかりを目で追ってしまっていた。 「5万円分のオプションですが、バッテリーの大きさを通常の倍にさせていただきます。 充電器をもう一本追加させていただきまして、それと、修理の永久保証に、眼鏡クリーナセットで丁度5万円のオプションでございます。よろしいでしょうか?」 「はい。良く分からないので、それでいいです。」 「それでは、30万円、頂戴いたします。」 宗太は、ギフトカードを手渡した。 「確かに、頂戴いたしました。それでは、色眼鏡の御準備をしている間、商品のご説明に移らせていただきますね。」 「はい。」 「この眼鏡は既製品ですので、バグもほとんどなく、純粋に視覚だけを楽しめる仕様になっております。 バッテリーの持ち時間は、充電池のオプションを付けましたので、3時間ほどになっております。一日の使用時間の目安は3時間ですので、充電が切れたら使用を中止してください。3時間を超える長時間の使用は、お客様の脳にダメージを与えかねませんので、気をつけてください。それから・・・・・・・・ こちらの商品の修理は無料になっております。本体の不調や、バッテリー等の修理も無料でございます。ですが、充電器の修理は取り扱いしておりません。故障の際は、新しい物に買い換えてください。それから・・・・ 万が一、この眼鏡でお客様に不利益が生じたとしても、当店は責任を負いかねますので、ご了承ください。」 最後にそう付け加えて、説明は終了した。 まさか、こんなに長い時間が掛かるなんて思いもしなかった。 小一時間ほどの長い説明に驚いた。 帰り際に上等な紙袋に収まった商品を受け取るとそのまま、この店を後にした。
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