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台風一過で、気持ちのいい朝を迎えたこの日、山田家に悲しいニュースが飛び込んできた。
母は真っ青な顔で、リビングの床にへたり込んでいた。
時計はすでに、9時を回っているのに、父も会社には行かず、母の様子を心配そうに見守っていた。
なぜか家にいる高校生になった双子の弟達も普段は自室にいる事が多いが、なぜかリビングにいる。
いつもと様子が違う。
一体、どうしたんだろう。
起き抜けのめぐみでも、事情は分からなかったが何か大変な事が起きたのだと察しがついた。
めぐみの姿を見つけた母が、口を開いた。
「佐和子、死んだんだって・・」
佐和子とは、母の姉で、めぐみから見ると叔母に当たる人だ。
先週、食事に誘われて、会ったばかりだった。
佐和子おばさんが・・死んだ・・?
母の言葉で、事態の深刻さが分かった。
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