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美穂子ちゃんが帰った後も、あのソファーの上で、相変わらず琴子の事を取り留めもなく考えていた。
健太から、琴子の記憶を切り離すのは不可能だ。
細胞の奥の奥に深く刻み込まれている。
リビングのソファー前に置いてあるコーヒーテーブルは南国にありそうな籐で出来た足部分にガラス製の天板が固定されている。
このコーヒーテーブルとソファーは抜群に相性がいい。
このテーブルに無造作に置かれた色眼鏡屋の小冊子がなんとなく目に入った。
琴子が見ていた世界、一体どんな世界だったんだろう。
小さな庭で育てていたピンクの花が咲く植物や、毎回嬉しそうに買ってくる前回買ったのと違いが分からないワンピースも、僕には良さが分からなかったけど、そのメガネで見ると分かるのかな?
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