1395人が本棚に入れています
本棚に追加
/105ページ
ちょっ、、えぇっ、、?
彼氏は私の左側に並んで座っているから、その行為は見えていない、、、はず。
<へぇー!すごいですね、それ! なんだよ、そんなビッグニュース、教えてくれればよかったのに>
彼氏は無邪気に笑って私に言う。
『そ、、だね、、』
「まあでも、、俺、ここの卒業生だし、凪子からしたら、俺がここで働いてるのなんて、そんなにたいしたことじゃないんじゃない?」
<へぇ! OBなんですか!、、、、>
基本、人との距離が近い鏑木先生と、人がいい彼氏は、瞬間で打ち解けたように、楽しそうな会話を始めてしまう。
先生は、なんてことない話をしているフリして、その手は、いわゆる恋人つなぎで私の手を捕らえ、ニギニギと撫でるように、握り続ける。
も、、、こんなの、無理っ、、
『私たちっ、、この後、用事があるので、そろそろ失礼しますっ』
先生の手を振り払うと同時に勢いよく立ち上がり、彼氏の腕をとって無理やりその場を離れる。
<えっ、、おいっ、どうしたんだよっ、、>
私の突然の行動に目を丸くする彼に、「ほんとはちょっと苦手なんだよね、鏑木先生」と、ボソッと伝える。
<えー、そんなんだ? 俺結構、好きだけどなー>
そんなこと、言わないで。
もう私、あの人に振り回されたくないんだよ。
あなたと向き合っていきたいんだよ。
最初のコメントを投稿しよう!