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 雨の音で私は目を覚ました。  この町はいつも雨が降っているが、強弱はある。  今日は豪雨だ。  雨だけではなく風も窓を叩いている。  こんな日は無性に外に出たくなる。  雨風から外に出ましょうと言われている気がして。  特に理由もなく傘をさしてぶらぶらと歩く。  行先もなく、足元だけではなく全身を濡らしながら風に背中を押される。  体が冷たくなり、白い光が眩しいコンビニに立ち寄る。  暖かいコーヒーを買いポケットに入れる。  私はまた外に出る。  ポケットの中の缶コーヒーの温もりがだんだんと冷えていくのを感じながら、町の外側を目指す。  隣町とこの町の境界線は線が引いてあるようにぴったりと天気が変わっていた。  隣町のアスファルトは靴型の濡れた跡はあるものの、それ以外は全く濡れておらず、その足跡もすぐに消えた。  私はそこからの景色をじっと見て、背を向けた。
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