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「おじさんは正確な射撃ができますか?」
訊くと、おじさんは頷いた。
「この弾丸が届く距離ならば」
「なら問題ないか。じゃあ、ここから百メートルほど先で彼らを足止めしてください。タイヤをパンクさせるのが最善策だと思うんですが」
輝の提案に、おじさんは笑って答えてくれた。
「いいだろう、それくらいなら朝飯前だ」
伯父さんはそう言って猟銃を構えた。しばらくするとトラックが地面を走る音が聞こえてきた。そう遠くはない。輝にもそれがそうと分かるくらいに近くに来ていた。おじさんは猟銃を構えたままじっとしていた。そして、トラックが射程に入ると、一発だけ、猟銃を撃った。その球は見事にトラックのタイヤを貫通した。バランスを崩したトラックが暴走しだすと、おじさんは二発目を撃った。すると、ものの見事に反対のタイヤがパンクして、トラックは動きを止めた。
それは見事な射撃だった。二発目は特に、車の挙動と路面状況に加えて風向きや人の乗っている位置、動きまで計算に入れなければ当たらないはずだ。
トラックが完全に動きを止めると、中から人が出てきて、タイヤの様子を見た。
その時、ローズが動いた。
隠れていた茂みから躍り出て、タイヤの様子を見に出てきた人間の前に立って、彼らに猟銃を向けていた。
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