第3話 粉挽き小屋

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 すると、しばらく考え込んでいたクチャナが、口を開いた。 「イタリアへ行ってはどうか」 「イタリア?」  輝が返すと、セインが、そうか、と言って表情を明るくした。 「イタリアのナポリ近郊に、クリスフォード博士の研究室がある。そこに何かあるかもしれない。君たちには連日の渡航になってしまうかもしれないが、行ってみる価値はありそうだ。どうかな?」  セインの提案に、輝が了解を出そうとしたその時、町子が立ち上がって輝の前に出た。 「ちょっと待って、セインさん。調査に行くだけならお二人だけでも十分なはずです。私たちがいく必然性がありません。転校先での授業もかなり遅れているし、そう何日もここを空けてはおけません」  その行動に、輝は驚いた。いままで町子は周りに言われるがままに動いていた。それを信じて疑うことがなかった。今のように意見することはなかったのだ。
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