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レジの横にあったベルを手にとって鳴らし、クチャナが全員分のパンを出して奥にいる小柄な男性を呼んだ。すると、しばらくして男性はやってきて、泣きはらした顔でレジにやってきた。
すると、セインとクチャナを見るなり、男性は顔を真っ赤にしてうつむいてしまった。
「またしても、みっともないところを見せてしまいました」
いいんだよ、クチャナはそう言って、このパンを店内で食べていってもいいかと訊いた。すると、青年はもちろんです、と答えた。
四人は、青年が出してくれたテーブルと椅子に腰かけて、そのテーブルの上にパンを並べて食べ始めた。寂しそうに笑いながら店の奥に去っていった青年を見て、輝はクチャナに問いかけた。
「彼ともいっしょに食事をしたい。彼や、あのおじいさんに何かがあって、それを俺たちが解決しなきゃならないなら、事情を説明してほしい。いいだろ?」
すると、クチャナは笑って応えた。
「もちろん。ここで私たちから話そうと思っていたが、彼から直接事情を訊いたほうが早いだろうからね。どれ、呼んでこよう」
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