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そう言って、クチャナはパン屋の奥のほうに行って店主を読んできた。彼はクチャナに連れられて恥ずかしそうにしながらやってきた。
セインが椅子をもう一つ持ってきてテーブルに添えたので、クチャナは彼をそこに座らせた。パン屋の店主は、申し訳なさそうにそこに座ると、肩をすぼめて、瞳を泳がせた。
「あんなに言われちゃ、こうもなるよね、確かに」
町子がそう言うと、店主は突然首を振り、顔を上げて大きな声で返した。
「それは違います! あのご老人は悪くないんです!」
その態度にびっくりして、町子は一瞬心臓が止まりそうになった。
「すべては僕が悪いんです。とはいってもなぜ僕が悪いのかもわからないのですが」
「それは、どういうことなんです?」
輝が尋ねると、店主はうつむき加減に話し始めた。
「皆さんはシリンという人種ですから、この話を信じていただけるものと思います。なので、ここからは事実を包み隠さずお話ししましょう。私の名前はマルコ。このパン屋を経営しているものです。そして、あのご老人はこのパン屋のパンを作っている小麦粉を挽いている粉ひき小屋の主です」
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