第三章

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【転】 ふとその額縁の外を見るとそこには呆けた面をした一人の男性がいた。 ――あっ、新しいお客さんだ……。 額縁が外の世界とつながったのであれば……、それは格好の獲物がそこに現れたということ。 私はゆっくりと立ち上がると額縁に向かって歩き出す。 足元は華奢な体躯上、おぼつかなくなってしまうがそれでいい。 ――お客さんをこちらの世界へ……。 私は額縁の前にたどり着くと、外の世界へと繋がった液晶に向かって手を伸ばし――向こう側に居る男性をひっ捕らえようとした。  
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