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【承】
「おーい、開けておくれよー」
「臣!」
僕は慌ててベランダを開けた。
臣は大学で知り合った友人で同じサークルの仲間。ついでに同じマンションの隣同士だ。
「お前、何やってんだよこんな寒い日に! しかもどっから入った!」
「どっからって……そこ」
臣は薄っぺらいベランダの防火扉を指さす。一気に頭が痛くなった。
「普通に玄関から入ってこいよ! あっぶないだろ!」
「だって、それじゃ普通だろ?」
「普通でいいだろ!」
「サプライズにならない」
「サプライズ?」
首を傾げた僕の目の前で、臣は近所迷惑も考えずクラッカーを鳴らした。
「誕生日おめでとう!」
「……へ?」
あぁ、そうか。誕生日か。誰かさんのせいで忘れる所だった。
「ってことで、誕生日パーティーしよう!」
僕は臣に引っ張られるように部屋に入った。
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