第二章

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【承】 「……こんな時に何なの?」 アタシは呼び鈴と突然の来客に激しい怒りを覚えながらも何もない冷凍庫を締めて、追加で服を着ることもなく玄関まで駆けていった。 ドアを開けるとムシムシとした熱気が流れ込んでくると共に、何か保冷バッグを肩から下げた若い女性がアタシの目に入ってきた。 「こんにちは~、ヤルクトの配達に来ました~」 「ヤルクト……? アタシそんな物頼んでいないんですけど……」 「えっ、本当ですか!? おかしいなぁ……、部屋間違っちゃったかな……?」 ヤルクトの文字が入った如何にも暑そうな服を着ている女性は汗を拭いながらも、首を傾げた。 その様子からして新人っぽいが……何はともあれ、ダラダラ中のアタシを歩かせるとはいい迷惑だ。
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