雨の日は君の日 2

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学校終わって、バイトがなかったのでそのまま今日は帰宅した。 制服からジャージに着替えて、鞄から携帯とあの紙を出して、ごろりとベッドに寝転がった。 「さてと……」 とりあえずメールを入れてみるか。 なぜかわからないけど緊張して、携帯を打つ手が遅い。 しかし、なんて書けばいいのか……。 『こんばんは、斎藤芳史(ただふみ)です。 この前のカラオケの店員です。 メアドもらったので、送ります』 「こんなもんか?」 同じ学年の友達だったらもっと軽く、よろしく~なんて送れるが、年上となるとどう書いたらいいかわからない。 もっと丁寧にしたほうがいいのか? 意外と相手が忘れてたりしてる可能性もある。 どんなにベッドで寝がえりを打っても答えが出ないので、このまま勢いで送ることにした。 「おりゃ!」 送信のボタンを押すと、すぐに送信されましたとメッセージが出る。 それから俺は携帯を握ったまま、返信を待った。 十分…二十分…三十分…。 どんなに待っても返信はこなかった。 「あーそっか、あっちは社会人だ」 時計はもうすぐ夜の七時になろうとしていたが、 残業とかあるかもしれないし、返信が遅いのは当たり前だ。
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