オレは進む!

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「三人でお二方をお迎えに、オレサンの家へおうかがいしましょう」 「そうだにゃ。家を知ってるにゃ。んじゃ、オレサン。おれたちが行くまで、待ってるにゃ」  武器店とオレんちは方向が違う。  ヘビ肉チマキご飯を作り、分配したところで二手に分かれる。三人組は西寄りの穴路に進む。オレとエメちゃんは、ここからは東寄りの南となる、オレんちに向かう。  オレたち二人のほうが遠い。  当面の食料と豊富な路銀で懐は暖かい。  チマキご飯を三つ携えて、のんびり歩く。  急ぐと、かえって危ない気がする。  そう思うと、あの三人組は用心棒として役に立っていた。二人での道行きは、心許なかった。  穴路から穴路に入っていく。  道案内の看板があるときもあるが。たいていは各々が持っている地図頼りだ。地図に記載されていないときは、勘頼りとなる。  オレは望むように、進んでこられた。  絵地図も、詳細地図も要らなかった。  あの三人組の尊敬を受けられていた。  それはたぶん。  オレんちに洞窟がくっついているせいだ。  だから家主のオレの直感が当たるのだ。  そういうことに、しておこう。  迷子にならずに帰宅できる。  それが一番大切なことだから。  太い穴路から細い穴路へ。  リアルで例えるなら。  国道から田んぼの中のあぜ道へ。    田畑を見ながら穴路に入り、抜け出ると獣人や羽根付きの、いわゆるUMAと分類されてしまう異世界人たちが跋扈する、大通りに出たりする。  穴路を抜けると、景色ががらりと変えることは、珍しくない。しょっちゅうある。  だが、ときおり。  昼夜が逆転している場合もある。  黄昏時なのか、夜明けなのか。  判断しづらいときがある。    時間の区切りは一応ある。  まるで江戸時代のように大まかだが、あることはある。半刻、一刻。相手を待たせても平気。二日間近くは黙って待つ。三日経つと、さすがに怒る。約束事は決裂する。  待たせても二日。  ワァタクシがオレに、異世界のことを教えてくれた。いや、そんなに待たせないし、待ってもせいぜい半日。オレはそこまでだらしなくない。と、胸の裡で頷いていた。  そんなことを思い返しながら。  左の穴路を選んだ。  穴路の途中にオレんちの床下よりは小さい、空洞部があった。老人が壁に寄りかかるように、倒れていた。 
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