あやかし屋

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「しかし、カッパの言う通り最近は暑いな」 「でしょう。皿の乾きが早くて早くて……本当に参っちまいますよ」 「そんなに早いんだったらこれに水を入れて運べばいいんじゃないか?」  そう言って俺が取り出したのはペットボトル。人類が発明した画期的なアイテムの一つだ。 「そ、それは! 人間が使っている液体を持ち運びできるものではありませんか!」 「そうだな」 「しかし、旦那。お忘れのようですが、わっちはそこまで霊力が高くないので、それに触れることすらできやせん」 「そこは安心しろ」  俺はそう言ってペットボトルに自分の霊力を込める。するとどうでしょうかペットボトルがだんだん揺らいで形が薄くなっているではありませんか。
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