あやかし屋

6/9
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/56ページ
 これは現世の物をあやかし達の理の物にする力で俺が得意とする力の一つだ。この力は俺の莫大な霊力をもって現世の物の境界を無くし、あやかし達の理の物に強制的に変化させている。  俺自身はこの力を霊化とよんでいるがな。 「ほら、これでお前も触れるだろ」 「こ、これは! ありがとうございます旦那!」  カッパは嬉しそうにして、早速水を入れるため池まで走っていった。 「ふ~」  この力は使い勝手だけはいいのだが、使った後は精神的に疲れるためあまり使えない。 「おっ! 誠さん、今日の仕事は終わりですか?」 「ああ」  話しかけてきたのはろくろ首の(ろく)。こいつは珍しいあやかしで、普段は人間に化けて人間と暮らしている。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!