序章

6/7
前へ
/56ページ
次へ
 (うち)は裏家業としてあやかし達の願いを叶えている。何でもご先祖様が昔、あやかしに助けてもらったらしくそれ以降、ご恩を返すために行っており、先代(俺の祖父)が亡くなってからは俺が引き継いでいる。  父さんがすれば一番いいのだが、いかんせん父はあやかしが見えない。え? つくもが見えているじゃないかって?   ……それはつくもが見えるように実体化しているからであって、本来あやかしはよほどの力をつけない限り実体化は出来ない。  そして、俺の祖父は俺が前世の記憶を持っていることに気づき、みっちりあやかしに関する英才教育をし(もともと前世が陰陽師だったため)今では高位のあやかしでもお話(もとい説教)ができるほどになった。  といっても俺の本来の仕事は悪さをしているあやかしを倒すのではなく、あやかし達の願いを叶えるのであって、普段はそういう力はあまり使わない。  まぁ、このあやかし業界では珍しい存在だ。
/56ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加