Track.4

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顔を真っ赤にしたあたしは、ヒツジくんのノンブランドのスタンダード テレキャスター ブラックを手に取り、10wのVoxアンプにシールドを差込む。 恥ずかしさを誤魔化すため、感情の赴くままのプレイをヒツジくんに見せ付けた。 「君は相変わらずうまいなぁ」 「そんな事ないよ。あたしなんて……」 「でも、僕の知っている人で海よりギターうまい人を知らないよ。きっと僕と海じゃ、ギターの見え方が違うんだろうなぁ」 「そんな褒めないでよ。は、恥ずかしいでしょ。さぁ!!! 早く始めましょう」 そしてあたし達はふたりで朝まで重ね合った。 もちろん音をね。 そしてあたしは帰っていった。 今夜は知り合いとザ・バースデイのライブを観に行くんだ。
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