Track.5

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ググればいいと思われるかもしれないが、この時のあたしは携帯でインターネットをできる事を知らなかった。 ちなみに千春ちゃんとは、ヒツジくんの彼女だ。 山崎千春。 26歳。 上品で知性を感じさせる女性。 でも、たまにとんでもない毒を吐くところがスパイスになっていて、それがあたしにとって彼女の魅力でもある。 普通に考えて、彼氏の家に夜押しかける人間なんて嫌いそうなものだが、彼女はあたしに優しかった。 そう……。 あたしなんかと二人でご飯を食べるくらい――。 「ねぇ……正直あたしといても面白くないんじゃない?」 「どうしてですか?」 「だって千春ちゃんは教養ある人だし。あたしもの知らないし……。おまけに同じ色白でも、千春ちゃんは透明感があって健康的なのに、あたしは病的な感じだし……」 千春ちゃんが傘をさせば、白い砂浜に現れたお嬢様になるが、あたしの場合は梅雨時のジメジメ湿気雨女。 それぐらいの差がある。 あたし……海って名前なのに、全然砂浜や太陽が似合ってない……。 闇子って名前の方が合ってたかも……。 「あたしは海さんといるの楽しいですよ」 彼女は面倒なあたしの話を聞いてくれて、そう言ってくれた。 う、うぅ……。 思い出すと涙が……。 あたしが彼女と暮らしていたら、毎晩抱くわ!!! そんな事を息巻いていた。     
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