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なんでも知っている彼女は、ものを知らないあたしによく色々な事を教えてくれた。
「海さんの名前ってキラキラネームみたいですよね」
「キラキラネームってなに? サンリオ的ななにか?」
とか、二人で飲みに行った時も……。
「今日は街が浮かれていて、そこら中にリア充が多そうですね」
「リア充ってなに? リアピックアップに充電がいるの?」
彼女は呆れもせずに、いつも丁寧に教えてくれた。
あたし、年上なのに……。
教えてもらってばかりで……。
出会ってしまってごめんなさい……うぅ。
「おい。なに泣きそうになってんだよ?」
気づけば知り合いが現れていた。
「相変わらず情緒不安定な女だな。ほらいくぞ。車でアイが待ってる」
知り合い……名は堀木と言う。
それ以上はわからない。
年齢はあたしより上みたいだけど。
それとアイとは、彼の彼女だ。
たしか24歳。
それ以上は知らない。
「おっす海!!! 久しぶり」
「久しぶりアイちゃん」
「よし!! じゃあ宇都宮まで飛ばすぞ!!!」
二人はあたしの元恋人の知り合いで、気づいたら今のようにつるむ様になっていた。
「それにしても、なぜ宇都宮?」
あたしの質問を二人は無視した。
あたしたちはその後ライブを堪能し、堀木の家でゴハンを食べる事になった。
「アイ! なんか作れよ」
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