41人が本棚に入れています
本棚に追加
カルクカンには他に、赤や黄色や緑といった多様な色がある。ほとんどは野生のものを捕まえて飼い慣らすため、希少だと言える。
「近頃よ、どうにも変な空気を感じるんだが」
エンドルフは胸当て鎧が気になるのか少し持ち上げ、苦い表情で問いかけた。
「ああ。大気が妙だ」
鎧類は一切、身につけていないシレアも眉を寄せる。この、わずかな変化に気付いている者はほとんどいないだろう。
気のせいとも思えるほど、ごく小さなものだが心に重くのしかかるような感覚は、気のせいと言い切るにはどうにも気にかかる。
どこか、得体の知れない不安感とでも言うのか。とはいえ、そんな曖昧なものに執着しても仕方がない。
最初のコメントを投稿しよう!