灯火

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「ねえ、 次ちょっと止まって」 高速に入ってしばらくしたところで麗奈が言った。 「ああ、 トイレ行かないとな」 そう言うと彼女が可愛く睨んできた。 「デリカシー無い。 そういう事は黙っててよ」 「え?ああ悪かった」 中学生くらいまで本人も全然気にしてなかったような。 小さな海や瑠璃と一緒になってはしゃいでいた頃。 本当はわかっている。 麗奈がもっと大人の女扱いしてもらいたがっているという事を。 大人びた服装、 今日はきちんとメイクもしている。 だが、 相手を子供だと思っていた方が気持ちが落ち着く。 なまじ大人っぽいと自分を抑える事ができなくなる。
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