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「この近くに久我さんの別荘があるんだ。
そこに、
ずっと昔も皆で泊まった」
「陽介おじちゃまの?」
おじちゃま、
と言っても実の伯父ではなく母の兄同然の人で日本男子初めての五輪メダリストだ。
今はスケート連盟の理事になっている。
「別荘番の人はいるはずだから、
少し寄ってみようか」
「うん!」
高原にある別荘地には、
大きな白い洋館が建っていた。
「すごーい」
車から降りて近くに行ってみる。
「元はリゾートホテルだったけど売却されて、
久我さんのお祖父さんの代に買い取ったって聞いた」
「すごい、
お金持ち」
「お前の家だって大概金持ちだろ」
「うーん、
そうかな」
我が家はひいおばあちゃまの土地を元手に不動産の会社を営んでいたが、
私の産まれる前に祖父は亡くなり祖母や母は創業者一族として多くの株式から収入を得ている。
それは小学生の頃、
働いていないのに母たちにお金が入ってくるのを疑問に思ってヒロト君に聞いて知ったのだが。
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