灯火

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「あの、 どちら様ですか?」 作業着姿の白髪のおじいさんが声をかけてきた。 「すみません勝手に。 久我さんの知人の者です」 彼がすぐに説明した。 「左様でしたか、 若旦那様の」 「以前にこちらにお招き頂いて、 懐かしかったものですから」 「ああ、 最近はあまりお客様も見えられませんから。 でもいつ来られてもいいように管理はしておかないと」 別荘番の人が言う通り立木や芝生はきちんと刈り込まれ、 建物は古くなっていても修繕や手入れが行き届いている。 「久我さんは今は日本にいませんからね」 陽介おじちゃまは現在、 国際スケート連盟に出向しているのだ。
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