灯火

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「家内に聞けばすぐわかるんですが…お嬢さんの名前は何だったか。 レイ…レイ」 「麗奈です。 黒田麗奈」 私に代わってヒロト君が答えてくれた。 「ああそうだ、 黒田さん。 家内はあなたのスケートが一番好きだって言ってね」 私のファンと言えばテレビ番組や雑誌で取り上げられた時に知った若い人が主で、 こんな風にスケートを好きだと言ってくれる人は初めてだった。 「あの…ありがとうございます」 「家内は病気がちでねえ、 足も悪くてテレビくらいが楽しみなんだ。 あなたを見ると元気が出るらしいから、 頑張って下さい」 そう言っておじいさんは笑っていた。
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