灯火

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「よかったな、 励ましてもらって」 車に乗り込むと、 ヒロト君は言った。 「会場に来て直接声をかけてくれなくても、 テレビでお前の演技を見て応援してくれてる人は沢山いるんだ」 「…うん」 私は今まで両親、 特に母だけを見てスケートをやってきた。 母にしてみれば大会で表彰台に上がるのは最低限であり、 一番になったとしても一言「おめでとう」とか素っ気なく言われるだけだ。 万が一台落ち、 なんていう事があれば怒られる以前に口もきいてもらえない。
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