灯火

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その他の人々と言えば、 彩香のように対抗心剥き出しの他選手か見た目から入ってくる自称ファン。 ちゃんと批評したり褒めてくれたりするのはコーチである父の他はヒロト君しかいなかった。 「…嬉しかった」 「お前は、 自分が思ってるより色んな人に…愛されてるから」 それは何故か少し淋しそうな横顔に見えた。 「ヒロト君は?」 「ん?」 「私を一番応援してくれるのはヒロト君でしょう?」 彼は前を向いたまま笑って頷く。 「そうだな」 「ねえ、 お腹すいた。 どこかでお弁当食べよう」 「え?…そうだな」 別荘地から少し離れた草地に来ると、 小高い場所に東屋があった。 「ちょうどよかったな」 車の中にあったタオルで、 ヒロト君はテーブルやベンチを拭いてくれた。 いつもこんな風に気遣ってくれる優しい彼。 私からも色んな事をしてあげたい。 「一生懸命作ったから、 沢山食べてね」 私は持ってきたバスケットを開けた。
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