虜囚

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しかし彼女は俺にとって何物にも代えがたい存在になってしまった。 今や身も心も囚われている。 こうしていてもあの眼差しや香り、 声が脳裏から離れない。 甘美な記憶に五感は苛まれ続ける。 一緒にいたいと言われると、 このままここに住まわせてしまおうかと本気で思う。 だが未成年である彼女は簡単に両親から離す事はできない。 逆に法律には感謝すべきか。 大人同士なら、 ずっと一緒にいたいと俺も言えただろう。 麗奈はきっと、初めてこうなった相手の俺に依存してしまっている。 いい大人が引っ張られてどうする。
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