第七雨 雨のちハレさん

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第七雨 雨のちハレさん

お母さんと店長がお会計をしている間に、お姉さんと話した。 「晴夏さん、ハレさんって呼んでもいいですか?名前がわかんなかったから心のなかでハレさんって呼んでたんです。」 「いいよ、ゆうちゃん。それにしても、いいな、ゆうって名前。私、雨が大好きだったの。でも、私、真逆の晴れなんだもの。雨がついてるなんて、憧れちゃう。」 ハレさんが少し口を尖らせて言った。 「雨、お好きなんですか?」 私は聞いた。 「うん、そりゃもちろん!私、中学校の頃吹部で打楽器してたんだ。打楽器のなかに、レインスティックっていう楽器があって、その楽器が大好きだったの。だから、雨が好きなんだ。」 ハレさん、それって……… 「レインスティック!!それ知ってます!今日学校で見たばっかりで、あ、私も吹部で打楽器やってるんですけど、一目惚れしちゃったんです!」 少し興奮しながら話すと、 「じゃあ、ゆうちゃん、私の後輩なんだね。嬉しい、こんなに可愛い後輩ができるなんて。」 優しく笑って、ハレさんはそう言った。 「ゆう、帰るわよ。」 お母さんの言葉で私たちは話を終えることになった。 「ハレさん、今日は会えてよかったです。傘、今度、持ってきますね。」 「私も会えて嬉しかったよ、また話そうね!あ、傘はあげる!お近づきのしるしに。」 その言葉に、私は嬉しくなって、 「ありがとうございます!」 と大きな声で言った。 外へと続く扉を開けると、いつのまにか、ポツリポツリと雨が降っていた。 私は開いた。 今日買ってもらったばかりの、お気に入りの傘を。 ハレさんが作った傘を。 虹の橋がかかった傘を。 雨のち、虹模様の傘を………
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