第五雨 運命

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第五雨 運命

「お母さん、私これにする。」 レジのところまでその傘を持っていくと、店長とお母さんが話をやめてこちらを見た。 「そんなのでいいの?確かに大きいのは使い勝手が良さそうだけど、少しシンプルすぎないかしら。中学生なんだから、もっと可愛いのでもいいんじゃないの?」 お母さんのその言葉に、店長はクスクスと笑って、 「お嬢ちゃん、目の付け所がいいですわい。奥さん、ちょいとその傘を開いてみんさい。面白いもんが見れますからのう。」 と言った。 いぶかしがりながらも、おそるおそる傘を開くお母さん。 だけど、傘が開いた瞬間、その表情は驚きに変わった。 青空に虹の橋がかかった傘。雨上がりの美しい傘。 「なにこれ……すごい!」 目を大きく開いているお母さんに、にこにこした店長。 その傘は、やっぱり誰が見ても素晴らしいな、と思った。 店長はにこにこしたまま、続けた。 「そうじゃ、今わしの孫が奥におるんよ。それがその傘をデザインしたんじゃ、あいつも自分のデザインした傘を買われるのは嬉しかろうて、ちょいと呼んでくるわ。」 そう言って奥に向かう。 しばらくして、戻ってきた店長と一緒に来たのは。
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