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「けど、泰河さぁ ばあちゃん おんぶ出来てよかったな。 おまえ、自分の ばあちゃんに そういうこと したことないだろ」 買ったコーヒーを取り出して、三本目のコーヒーを買いながら、ルカは オレを見た。 ない。 ばあちゃんに、何もしたことがない。 頷くだけで、何も言えないでいると ルカは また小銭を自動販売機に入れながら 「オレも、最近だもんなぁ。 じいちゃんとか ばあちゃんに 何かしてあげたい って思うようになったの。 会えば、甘えてばっかだったしさ」と カフェオレのボタンを押す。 「あの ばあちゃんも、泰河におぶってもらって助かっただろうけどさぁ。 おまえも嬉しかったんだろ? オレもグチってないで、戻ったら何か出来ること探さねーとな」 そうだな ばあちゃんは軽くて 泣いてたから、かなしくなったけど おぶえたことは、よかったし 嬉しかった。 オレの ばあちゃんが、オレの胸に遺してくれたものに、少し お礼が出来た気がする。 うまく言えんけどさ。 6本目のコーヒーを買うルカに、いいかげん 「おまえ、何やってんだ?」と 聞くと 「え? 何って、差し入れだよ。 おじさんと、朋樹とジェイドと透樹兄ちゃんと、 榊さんも戻って来るんだろ? オレも また飲むし」と、返って来て ルカのキョトンとした顔見ながら あ、そうか... と、反省する。 “相変わらず気が効かんよな” っていう 朋樹の声を思い出した。
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