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ふてくされ気味のオレらを放っておいたまま 浅黄は、ジェイドに 「伴天連から天津甕星の化身になったと聞いた。 さぞ複雑であろう?」と 聞いている。 「そうだね。 ここでは 僕は、ただ在るのが役割だ」 浅黄は頷き 「見たところ、何かの守護を敷いているようだ。 集落の道には、それも含め 誰も出さないようにしてくれ」と言うが 誰も って、やっぱり オレらだろうか? 「オレも式鬼 仕掛けたぜ」と言った朋樹に 浅黄は不思議そうに 「異形が出れば、仕掛けがなくとも判ろうよ。 法華経が響くのであろう?」と返し 朋樹を絶句させている。 榊が神隠しを解き、難しい顔をした おじさんと 慶空も顕れた。 「さて、ジェイドは香香背男として 集落に残るのが望ましいが 泰河らは、民宿に戻っておいても構わぬ」 榊ぃ... 「いやだ! もやもやするじゃん!」 「ここまできて何だよ、最後まで見せろよ!」 ルカと オレが わぁわぁ言って 朋樹も「おう、帰らんぜ」と 口を出す。 「祓う気はないけどな」 朋樹が 一言 添えると、榊は「ふむ」と頷き 「何かを護る際にのみ、術を使うと良い」と ルカの方にも切れ長の眼を流した。
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