26

6/6
737人が本棚に入れています
本棚に追加
/224ページ
「ミキちゃん!」 おっさんが、守護精霊の背後から 驚いた声をあげたが、本当に ミキさんだ... なんで そんなとこにいるんだ? ミキさんは、オレらの背後の集落の方ではなく 獣道から出て来た。 ... 小屋に潜んでいたのか? 僧侶の眼が ミキさんに向く。 ミキさんは、腰に届く長い髪を 一つに束ね 白衣(はくえ)に緋袴という巫女のような格好で 満面の笑みを浮かべて、僧侶の方へ駆けて行く。 「カガセオ様ぁっ! 今こそ、お光を! さあ、その方を離れて、私に お移りください!」 オレが止めようと、走り出す前に 「カルネシエル!」と、ジェイドが 守護精霊の 一体を ミキさんの前に出し ルカが地の精霊を呼んで、ミキさんの足を止めた。 朋樹が地に片手を付け、呪を唱え 植物の蔓を伸ばして ミキさんに巻き付ける。 ルカが精霊を退()くと、朋樹が蔓に ミキさんを引かせ、浅黄が 僧侶を行かせまいと ミキさんを背後にする位置に立ったが 僧侶は、足元の割れた巨石を錫杖で突く。 割れた巨石の欠片が飛び、ミキさんの胸に当たった。
/224ページ

最初のコメントを投稿しよう!